ディーゼルエンジンは日本の次世代自動車
「次世代自動車」への期待
ディーゼルエンジンは、軽油を燃料とする熱効率の高いエンジンです。 かつては黒煙や光化学スモッグの原因物質を撒き散らす悪いイメージを持たれていましたが、「コモンレールシステム」の導入により、クリーンなエンジンへと生まれ変わりました。 今日のディーゼルエンジンは、CO2排出量が少なく環境に優しい(Clean)、静かでスムーズな加速が可能(Comfort)、燃費・ライフサイクルコストが低い(Economy)という特長を兼備しています。
また、同排気量のガソリンエンジンと比べ、CO2排出量、燃費はともに約30%抑えられています。 その性能の進化によりクリーンディーゼル自動車は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車とならんで、政府・経済省が定めた次世代自動車のひとつです。
デンソーのコモンレールシステム
「コモンレールシステム」という革新的な技術が、ディーゼルエンジンの概念を大きく変えました。デンソーは1995 年に世界で初めてその実用化に成功。その後も世界最高水準の技術を生み出し、この分野で世界をリードし続けています。
システムの核となるのが、燃料を高い圧力で、精密に制御しながら噴射する技術です。デンソーは、わずか10 万分の1 秒というレベルで燃料噴射のタイミングを制御。またクリーンディーゼルに欠かせない超高圧の2,500 気圧* を達成するとともに、9 段マルチ噴射という高精度技術も開発。これらによって燃費や出力を大きく向上させました。
さらに、部品の磨耗や経年劣化によるずれを補正し、常に10 万分の1 秒レベルの高い噴射精度を維持する「i-ART」という技術も世界に先駆けて実用化しました。こうした最先端技術の結集によって、クリーンディーゼルが誕生したのです。
● 1995年の初代コモンレールシステムの噴射圧は1,350気圧。ここから2,500気圧まで高めたことにより、排出ガスは約75%減少し、燃費は約10%向上しました